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エシカル素材評価基準づくり|株式会社船場



エシカル素材評価基準づくり|株式会社船場

エシカルな内装材の評価基準設計と研究成果の展示デザイン

株式会社船場は、空間創造で培ってきた人への思いやりの姿勢を、サプライチェーン全体や地域社会、自然環境にまで広げていくエシカルデザインを推進しています。その活動の一環として、資源循環を促進できるマテリアル「エシカルマテリアル」を船場独自の基準で選定し、内装材のエシカルなあり方を探求しています。今回、素材の研究を深めていくため、「エシカルマテリアル」の基準の再定義し、研究成果をエシカルデザインウィークで公開しました。デザインエスノグラフィは、基準の見直しから、ギャラリー展示、デザイン制作までを支援しました。


<Background>

実用的なエシカル基準づくりへの挑戦

メーカーから集まってくる内装材を船場が独自視点で研究する「エシカルマテリアル」の活動は今年で2年目。前年度から素材の評価・分類に挑戦していましたが、本年度はさらに深度化・実用化を目指して、基準の再定義に取り組もうとしていました。また、「エシカルマテリアルギャラリー」での展示を通じて、デザイナーやクライアントに「エシカルマテリアル」の活用を広げるため、そして、メーカーとエシカルな素材開発に取り組んでいくために、内装材に関わるさまざまな立場の人の視点で「エシカルマテリアル」の魅力を発見できるような基準づくりが必要でした。


<Approach>

素材のライフサイクルを通じた「エシカル=おもいやり」を基準化する

「エシカル」とは、直訳すると「倫理的」。「エシカル消費」をはじめ、言葉として使われることは増えているものの、何をもって「エシカル」なのかは言葉の使い手によってまちまち。しかも、業界構造によっても、その中でも立場によっても、「倫理的」の意味するところは変わってきます。基準づくりに際してまずぶつかった課題は、この「エシカル」という言葉の曖昧さでした。

そこで、「船場が考えるエシカルとは?」という問いに改めて向き合うことから始めました。船場のエシカルデザインの活動は、人や地域社会、自然環境への「おもいやり」であること。そして、「つくる・つかう・すてる」という素材のライフサイクルの視点でそれに取り組んできたこと。

それを船場の独自視点とし、先進的なサステナブルブランドの基準、サーキュラーエコノミーのサイクル、産業廃棄物処理の業務フロー、SDGsなど、「エシカル」という概念の周辺に存在するさまざまなフレームを収集、再編集。ライフサイクルを通じて素材を評価し、「エシカルマテリアル=“未来にやさしい空間”をつくる素材」を選定する基準を、船場とデザインエスノグラフィでまとめていきました。

その後、船場のプロジェクトメンバーが新基準を使って実際にマテリアルを評価。メーカーが商品特長として謳っているリサイクルのしやすさやCO2削減量だけでなく、廃棄物由来の味わいや、伝統技術や文化が生み出す魅力、取り付け・分解のしやすさなど、エシカルな価値の再発見に繋がりました。



パンフレット制作|ETHICAL MATERIAL RESEARCH NOTE



「エシカルマテリアル」の新たな魅力と出会う展示

新基準を使った素材の研究成果を船場本社にあるエシカルマテリアルギャラリーで公開するにあたって、デザインエスノグラフィは展示構成とデザイン制作をサポート。船場とディスカッションを重ねながら、研究によって発見した素材の価値をサーキュラーエコノミーの視点で編集し、来場者の興味の入り口となるような8つのテーマからマテリアルを紹介する展示構成をつくっていきました。ギャラリーを訪れるデザイナーやクライアントが「エシカルマテリアルを使ってみたい」と思えるような、また、素材をつくるメーカーが「こんなこともエシカルな価値になる」と気づけるような、親しみやすく楽しめる展示を目指しました。



展示会キュレーション|Semba Ethical Design Week 2022


 

Client:株式会社船場

Sector:ディスプレイ

Year:2022.06-2022.09


Director:山本 茂貴(デザインエスノグラフィ

Planner:及川 結理(デザインエスノグラフィ

Designer:丸山智也(マルヤマデザイン)