デザインエスノグラフィのオリジナリティ

 

デザインエスノグラフィとは?

デザインエスノグラフィは、デザイナーが持つ『直感力=ものごとを優れた審美眼によって解釈し、わかりやすいカタチやレイアウトに変換・編集する力』と、エスノグラファーが持つ『直観力=ものごとを優れた観察眼によって解釈し、その背景や多面性を発見・体系化する力』を組み合わせて調査分野に応用しています。言語化や数値化といったフィルターを通さず、映像や音、グラフィック等でダイレクトに観る側のインスピレーションを刺激するので、観る人の感性や専門性、目的意識の違いによって、様々なアイディアやイノベーションが生まれます。​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

デザイン(design)とは?

デザインは日本語では「意匠/形態/設計」とも訳されるため、これまでは狭義に「色や形といった見た目」や「単にモノをカタチ」にしたり「図や模様をレイアウト」したりする作業と捉えられてきました。近年はそれ限らず、人の「行為」をより良いカタチで適えるための計画やシステム、サービスといった「プロセス」にもデザインを介在させるようになってきています。

エスノグラフィ(ethnography)とは?

エスノグラフィは「ethno-:民族」「-graphy:記述」を意味し、一般に「民族誌」と訳されます。元々は文化人類学や社会学の用語で、集団や社会の行動様式をフィールドワークによって調査・記録する手法のことを指します。近年は商品開発やマーケティングに欠かせない調査手法として注目され、更には人材育成やプロジェクトマネジメント等の分野でも活用されるケースが増えています。

マルチシナリオで未来を探る直感的帰納法」

 市場調査、ペルソナ、セグメント、差別優位性、ブランディング、コンセプト…。綿密に論理的に、顧客のことを考えて考え抜いたのに、結局は顧客にとってダサくてピンとこない商品やサービスを世に送り出してしまうことはありませんか?

デザインエスノグラフィは、既存のビジネスモデルやマーケティング手法が通用しない、環境変化のスピードに追いつけない、そんな状況下でビジネスに挑む企業のために考え抜かれた『直感的帰納法』という考え方が基底にあります。

 

『直感的帰納法』は、調査結果から統計や法則化といった1つ1つ論理を積み重ねていく一般的な分析プロセスとは対をなし、観察結果からダイレクトに未来を創造していきます。『複眼的(マルチな視点)に捉えた観察結果』から直接『顧客にとって幸せな未来(マルチエンド)』を想像し、そこから逆算して『未来への伏線となる商品・サービス(マルチシナリオ)』を創造します。

あくまで企業が提供する商品やサービスは、顧客が幸せな未来を掴む途中で出会う選択肢(伏線)の1つという考え方です。例えるなら、ドラマの最終回やゲームのエンディングを先ずいくつか決め、そこに行き着く一番面白いストーリーを探し当てるというプロセスに似ています。したがってデザインエスノグラフィは、従来の定量・定性調査のように、論理や結論の正しさを裏付ける『過去・現在からの証拠集め』ではなく、優れたアイディアやイノベーションの種となる『未来へのヒント探し』に主眼を置います。

 

直感的帰納法の進め方

①マルチ視点:現場の事象を複眼的に観察する。

②マルチ・グッドエンド:観察結果からダイレクトに『顧客の幸せな未来』を幾つも想像する。

③マルチ・シナリオ:未来から逆算して『伏線となる商品・サービス』のアイディアを幾つも創造する。

【直感的帰納法の特長】

  •  調査データ洞察の目的が、論理構築ではなく未来想像なので、多くの可能性を広げることができる。

  •  直感は単なる論理飛躍ではなく見えない次元で事象と結びつく。

  •  想像した未来(グッドエンド)にたどり着くためのマルチシナリオを逆算していくプロセスなので、理論や与件に縛られない自由な商品アイディア等が生まれる。

結論や理論の正しさを追求するのではなく、不確かさや曖昧さを許容しつつ参加者の直感を信じ、幾つ未来の可能性を見つけられるかを重視する姿勢によって、多くのアイディアやイノベーションのヒントを発見することができます。

 
 

従来の「帰納法的」調査・分析とは?

従来の「帰納法的」調査・分析とは?

調査分野における「帰納法・演繹法」の欠点

一般的な「帰納法」や「演繹法」を使った調査分析では、開発までに多くの時間がかかります。さらに破綻なくロジックを積み上げていくので、結論が丸くなり、イノベーションの原石である『不確かだけどありえそうな』可能性の多くが見落とされてしまいます。

 

従来の「帰納法的」調査・分析とは?

①事例:過去や現在から類似事例を集める。
②結論:事例から共通項を見つけ、1つの結論にまとめる。
③原則:事例と結論を結びつける原則を導き出す。

【帰納法的調査の欠点】

  • 類似事象の一面しか見えないので、真の問題点や別の課題を見落とす可能性がある。

  • 事例から共通する規則を絞り込むプロセスのため、背景を探ったり可能性を広げる目的には向かない。

従来の「演繹法的」調査・分析とは?

①大前提:既存のマーケティング論理等から最初の前提を決める。

②小前提:次々に前提をつなぎ、論理を組み立てていく。

③結 論:全ての前提をクリアした必然的な結論を導き出す。

【演繹法的調査の欠点】

  • 既存のマーケティング理論やビジネスモデルといった、そもそもの前提が当たらなくなってきている。

  • 1つ1つ論理を積み上げていくので時間がかかり、破綻すると前に進めなくなる。

  • 結論ありきのプロセスなので、調査データが理論を証明するバックアップにしかならない。

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